豊田市のキッズスクール校長先生のブログ

子どもたちの発育、子育てのヒントになる情報をお伝えしていきます

子どもの「体力低下は二極化している?」男子女子ともに47位(最下位)の愛知県

私が読んだ書籍や得た知識、収集した情報をもとに子どもたちの教育に関する事柄を中心に紹介するブログです

昔に比べ、子どもたちの体力が低下していることは、さまざまな情報から多くの方がご存じかと思います。文部科学省が昭和30年代から調査している「体力・運動能力調査」のデータによると、子どもたちの体力は昭和60年代を境に年々低下しているとのことです。体力の低下は免疫力や精神面など、心身ともに様々な悪影響が懸念されます。今回は「なぜ体力が低下しているか?」を掘下げるよりは、子どもの体力アップがもたらす良い影響とその取り組みのヒントについて書いていきたいと思います。

 

近年の体力低下の主な要因。男女とも最下位の愛知県

スポーツ庁が公表した、全国の国公私立の小学5年生、中学2年生全員を対象にした「令和3年度、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」によると、体力合計点について、令和元年度*1に比べ、男女ともに低下しており、主な要因として以下のようにあげています。

  • 運動時間の減少
  • 学習以外のスクリーンタイム*2の増加
  • 肥満である児童生徒の増加

また、「新型コロナウイルス感染症の影響を受け、更に拍車がかかったと考えられ、コロナの感染拡大防止に伴い、学校の活動が制限されたことで、体育の授業以外での体力向上の取組が減少したことも考えられる」としています。

更に、愛知県の子どもを持つ親として気になるのが、男子・女子とも47位の最下位の結果。男子にいたっては、7年連続で最下位とのことです。

 

子どもの体力低下は昔に比べて二極化?

近年の社会インフラの向上や便利になった環境、遊び方の変化が、子どもたち全体の体力低下の原因になっていることは比較的、たやすく想像できるかと思います。しかし私は、子供たち全体の体力低下はあるものの「極端に二極化しているのでは?」と思っているところもあります。

昔に比べると、学校体育以外で、スポーツ系の習い事(私たちのような子ども向けの運動教室や体操教室、サッカースクールなど)は、多様化とともに数も増えており、多くの子どもたちが通っています。

二極化を思わせる出来事として先日、スクール生の親御さんからこんなご報告をいただきました。

「運動会でかけっこ競争があったんですが、おかげさまでうちの子供が断トツで1位でした!」

動画も見せていただきましたが、スクールに通っていただいているお子さん以外は、順位にそこまでの大差はなく、先天的に運動ができる・できないはあるにしても、同年の子どものかけっこ競争にしては少し違和感のあるほどの差でした。

 

体力向上で学力もアップ?「体力(運動)と学力(勉強)の相関関係」の研究

人間は脳の指令によって身体を動かしています。脳の発達はバランスよく全体的に発達するのではなく、それぞれが順を追って発達していくようです。まず発達するのが、「運動野」と呼ばれる運動をコントロールする場所とのこと。子どもが動くことは、科学的にみても将来的な脳の発達にとても重要なことのようです。東大生の多くが幼少期に運動系のスクールに通っていたとの統計データもあります。

ここで、運動と学力の相関関係について、スウェーデンのブンケフロという町の小学校で行われた研究をご紹介します。

様々な条件が同じになる様にした2つのグループの子どもたちを調査

  • グループA:毎日体育の授業を行なう
  • グループB:週2回体育の授業を行なう

期間経過後にテストを行った結果、毎日運動を行なったグループAの方が成績が良くなり、特に算数や英語(読み・書き・計算)の点数はぐんと上がったとのことです。さらに特筆すべきは、その学力は「短期的な効果ではなく、何年もの長期にわたって継続され、また試験内容が難しいほど大きな差があらわれた」とのことです。ほかにも同じような研究が、アメリカでも行われており「心肺機能・筋力・敏捷性が高い子どもたちは、算数と読解のテストで高得点を獲得し、更に体力的に優れているほど、得点が高くなった」との結果が報告されています。

 

運動取り組みのヒントは遊び要素。ハードルクリアで達成感アップ!

子どもの体力をつけるためには、何も私たちのような運動系のスクールに通うだけが方法ではありません。子どもたちの運動につながるような動きを大人が考えて日常生活に取り入れていくだけでも効果は違ってきます。

例えば、お出かけした際に見える範囲でゴール地点をつくってかけっこ競争や階段で早上がり競争、買い物の荷物持ちを手伝ってもらうのもいいでしょう。お家で家事の手伝いをしてもらうのもいいかもしれません。お母さんは実感してると思いますが案外と重労働です。子どもは大人のマネをしたがったり、役割を与えられることに喜びを感じたりするものです。

ヒントは遊び要素を取り入れることと、ステップアップできるような小さなハードルをつくって達成感を得られるような工夫をすることです。子どもの好きなTVゲームなどは少しずつハードルをクリアしていくような仕掛けになっているものが多く、この達成していく過程が、ゲームにのめり込む大きな要素のひとつと考えられます。そして運動に限らず、この達成感を得る心は心身に良い影響がありますので、いろいろ工夫をしてぜひ取り組んでみてください。

 

まとめ

今回は、「子どもの『体力低下は二極化している?』男子女子ともに47位(最下位)の愛知県」と題して、体力アップがもたらす影響とその取り組みのヒントについて綴ってみました。運動を効果的に取り入れることで体力アップになるだけでなく、学力アップにもつながりますので、ぜひ日常生活にも取り入れて体力アップを心がけてみてください。それでは今回はこのへんで。このブログがご覧いただいた方々の参考になれば幸いです。

次回は、「接し方ひとつで『92%の子どもが自ら難しい課題を選択し、成績も約30%アップ?』やる気を引きだすヒント」について書きたいと思います。

 

 

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*1:令和2年度はコロナの影響により中止

*2:平日 1 日当たりのテレビ、スマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間