豊田市のキッズスクール校長先生のブログ

子どもたちの発育、子育てのヒントになる情報をお伝えしていきます

接し方ひとつで「92%の子どもが自ら難しい課題を選択し、成績も約30%アップ?」やる気を引きだすヒント

私が読んだ書籍や得た知識、収集した情報をもとに子どもたちの教育に関する事柄を中心に紹介するブログです

子どもの教育でよく話題になる「日本と海外の教育の違い」。幼少期にどのような教育環境や社会環境の中で育ってきたかが、その国の文化や国民性などを形成しているように思います。今回は日本と海外で「どちらの教育法が優れているのか?」という視点では無く、「参考となる教育方法は取り入れよう」という見方で書いていきたいと思います。

 

世界7大教育法

テレビやユーチューバーなどに紹介されたことで、最近、日本でも注目されている海外の幼児教育法に「モンテッソーリ教育」という教育法があります。他にも海外にはさまざまな教育法があり、代表的な教育法として、以下のような教育法がありますのでご紹介します。

これら海外の教育法を知るうえの前提として、すべて直接的に試験や受験で有利になる学習法や勉強法の秘訣がわかる、という教育ではありません。共通するポイントとしては、「個性や才能を伸ばすとともに自己肯定感を養い、自分で考え行動できる力」を学ぶヒントとなる教育法かと思います。

 

自分でできる子の土台となる「自己肯定感」

自己肯定感とは、読んで字のごとく「自己(自分)を肯定する(認める)感情」です。自己肯定感が高ければ、自分に自信を持ち、何事にも積極的に取り組める心が養われます。反対に自己肯定感が低いと自分に自信を持つことができず、消極的な思考になりがちです。

日本は諸外国に比べて自己肯定感が低い傾向らしく、内閣府が発表した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 *1」によると、日本の若者が「自分自身に満足している」と答えたのが45.1%、「自分には長所があると感じている」が62.2%で、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの回答と比較すると、日本は最も低い結果となりました。

 

自己肯定感を高める「ほめ方、しかり方」

褒めるときはプロセスを褒める、その驚きの実験データ

アメリカで行われた10~12歳の子どもたち約400人を対象にした「ほめ方の違い」がもたらす興味深い実験データがあります*2。要約して簡単にご紹介しますとこんな感じです。

1.子どもたちを3グループに無作為にわけ、比較的簡単なテストを実施。終了後に

  • グループA:「よくできたね!頭がいいのね!」と褒める
  • グループB:「よくできたね!一生懸命取り組めたね!」と褒める
  • グループC:特別には褒めない

2.次のテストで「簡単なテスト」と「難しいテスト」を用意し、自ら選んでもらう

  • グループA:33%が難しいテストを選んだ
  • グループB:92%が難しいテストを選んだ
  • グループC:55%が難しいテストを選んだ

その後も様々なパターンで実験を進め(ここでは割愛します)、結果としてわかったことは、「よくできたね!一生懸命取り組めたね!」とプロセスを褒められた子どもたちのグループが他のグループと比較して、最も向上心(自ら取り組む姿勢)が高まっただけでなく、平均スコア(成績)も約30%伸びたということです。

 

叱るときは指示や命令になる言葉を使わない

「あれしなさい・これしなさい」「あれしたらダメ・これしたらダメ」といった、親ならつい言ってしまいがちなこの言葉。親の気持ちからすれば「子供の将来を思って」「子供がケガや危険な目にあわないように」からくる言葉かと思います。ただ、これらの命令や指示になるような言葉は、子どもたちからすれば自分のことを尊重されず否定されている発想につながり、自己肯定感を育むにはNGワードということです。

ポイントとしては、子供であっても大人と同じようにひとりの人間として尊重した叱り方に気を付けることです。同僚や部下などに注意を促すときのような心持ちが必要です。指示や命令になる言葉は、子供に限らず大人でも自己肯定感の低下につながる一因となるようです。

 

親の先回りは禁物。子供の行動を見守り、成長と捉える心

はじめにご紹介した海外の代表的な教育法。中でも私が比較的多く読んだ「モンテッソーリ教育」の書籍には、親からすれば問題にうつる行動やいたずらも、子どもたちにとって「知的好奇心や探求心」からくる行動、つまり「成長している瞬間」「新たな能力の獲得」と紹介されています。子供の行動をなるべく排除せず、見守り成長と捉えることが重要であり、それによって自らが選択し、行動を起こし、主体性が育つことにつながるということです。

ただし、際限なく自分の好き勝手にさせるということではなく、親も子供の知的好奇心や探求心を満たす工夫をしながら取り組んでみてください。くれぐれも先回りをして行動を止めさせたり、親が代わりにやってあげるようなことは、なるべく控えたほうが賢明です。

 

まとめ

今回は、「子どもの『できるを伸ばす』海外の教育法から得るヒント」と題して綴ってみました。自己肯定感の向上が、子どもたちの自信を育み、自ら積極的にチャレンジする心に大きな影響をあたえる要素となりそうですね。そして、この自己肯定感は子どもたちに限らず、私たち大人にとっても、幸せに生きていくために大切にしたい感情であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。それでは今回はこのへんで。このブログがご覧いただいた方々の参考になれば幸いです。

次回は、「子どもの『脳の吸収力が上がる』脳の発育とその方法」について書きたいと思います。

 

 

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*1:2018年11~12月、満13~29歳までの男女に実施

*2:1998年にスタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授が行なった実験